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​インフルエンザワクチンについて

 2023/2024シーズンのインフルエンザワクチンのご予約受付、接種期間は終了しました

 

​ 当院での接種対象は生後6ヵ月~未就学児(小学校に上がるまでのお子さん)としています。

 予約枠に限りがあり、小児科診療所としてより低年齢の方の接種を優先させていただきますので、申し訳ありません。

​ 同時接種をご希望の場合は、2回目接種のご予約の際にご相談下さい。2回目接種の予定日の変更とキャンセルは、お電話か受付でお願いします。

 費用:1回¥3,000(税込)

​ワクチン株
2023/2024シーズン

A/ビクトリア/4897/2022 (IVR-238)(H1N1)
A/ダーウィン/9/2021 (SAN-010)(H3N2)
B/プーケット/3073/2013(山形系統)
B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)

​ インフルエンザHAワクチン「生研」

※流通状況によりワクチンが変更になる可能性があります。

 

 生後6ヶ月~12歳は2回接種、1回目と2回目の接種間隔は2~4週間です。4週間あけるともっとも高い効果を得られます。
 13歳以上は1回接種でよいとされています。
 インフルエンザワクチンも他の予防接種との同時接種が可能です。ワクチンの同時接種についてはVPDの同時接種の必要性・安全性をご参照ください。

 

 ワクチンの効果があらわれるまで2週間程度かかり、効果は3~5ヶ月程度です。2回接種の場合は、11月には1回目の接種を済ませ、2回目の接種を12月上旬に完了していることが望ましいでしょう。ワクチンの有効期間を考えると1回接種(13歳以上)の場合は11月中旬から12月上旬に受けることが効果的に思われますが、流行が早く来た場合には間に合わない可能性もあり、接種時期に関しては一定したことをお伝えすることが困難です。また、1回接種は2回接種に比べて効果がおとる可能性があり、受験が控えている方や、どうしても休めないという方には年齢を問わず2回接種が勧められます。

 2023/24シーズンは、昨年と同じタイプのインフルエンザワクチンを使用します。チメロサールが含まれるワクチンの中でも、もっとも含有量の少ないタイプを選んでいます。

 そもそもワクチンにはdirect protection(直接防御)とindirect protection(間接防御)のふたつの効果があります。直接防御は接種した本人を守るもの、間接防御とは流行をおさえて接種をしていない人もその感染症から守るというものです。インフルエンザワクチンの直接防御に関してはアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が公表しているデータをご参照ください。VEがvaccine effectivenessワクチンの有効性です。2021-22シーズンのCDCが評価した有効性は35%でした。2020/2021シーズンはインフルエンザの流行が世界的に生じず、ワクチンの有効性の検証ができなかったため、データがありません。(https://www.cdc.gov/flu/vaccines-work/effectiveness-studies.htm)​

 

 このように、インフルエンザワクチンは、ワクチンの中では決して効果の高い方ではありません。しかし、予防効果があるのも確かです。インフルエンザは脳症の原因の中でもっとも頻度の高いものですから、経験上は接種に問題のないすべての人にワクチンは勧められるべきと考えます。

 次に間接防御について書きます。以下は間接防御の例としてよく引用される、2001年のThe Japanese experience with vaccinating schoolchildren against influenzaという論文のグラフです。

 グラフはワクチンの使用量と、Excess deaths(超過死亡:WHOが提唱しているインフルエンザ関連死者数)の推移です。日本では1962年から6~15歳の児童に定期接種が行われていましたが、様々な批判から接種率が低下、1994年に任意接種となり現在にいたっています。グラフは定期接種の間は超過死亡が少なかったことを示しており、論文では7割以上の未就学児、学童がワクチンを接種することで地域への流行拡散をふせげる可能性があると指摘されています。また、2005年に発表されたMass Vaccination of Schoolchildren against Influenza and Its Impact on the Influenza-Associated Mortality Rate among Children in Japanでも、1~4歳での超過死亡について検討、同様の結論にいたり、定期接種の間はインフルエンザ脳症の頻度も減少していたと報告されています。
 子どもはインフルエンザに高感受性の(かかりやすい)集団で、流行の主体となっており、子どもたちがワクチンを接種することで、他のこどもたちや地域全体が守られることが示されています。インフルエンザに対する最良の戦略はワクチンだと考えられています。ワクチンを接種してお子さんを、そして地域を流行から守りましょう。

 ワクチンもお薬なので、中にはお体に合わない方がいるのも事実です。
 日本のインフルエンザワクチンは精度が高く、鶏卵アレルギーのある方でも通常は問題なく接種できます。しかし、鶏卵でアナフィラキシーのあった方、アレルギーの検査(RAST)で卵白の数値がクラス5以上の方、以前接種して体調を崩された方などはご相談ください。
 その他、何かご不明な点や心配なことがありましたら、どんなことでも医師やスタッフにお話し頂ければと思います。

 なお、点鼻生ワクチン(フルミスト)については副反応が出た場合の補償の問題があるため、当院では輸入採用を見送っております。

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