​ブログ記事

ameba.png

当院のアメーバブログの記事を転載しています。

2022/1/20更新 ※画像や写真はアメーバブログをご参照ください。

新型コロナウイルスについて話題2つ

2022年3月以降に、5~11歳のお子さんに対する新型コロナウイルスワクチンの接種が始まる方向で調整が進んでいます。

 

朝日新聞DIGITALから、

5~11歳へのワクチン「意義あり」「十分な準備を」 学会など見解

 

以下が、実際の日本小児科学会の見解です。

5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方

 

”意義がある”というのは、例えば厚生労働省のHPの定期接種ワクチンの説明にあるような”誰もが受けるべき”という表現よりは弱いものです。よほど接種率が高くなければ集団免疫の獲得は難しいと思いますから、本人の重症化予防という観点から見ると、基礎疾患のないこの年齢の子どもはそもそもかかってもほとんど重症化しないので、受けるメリットが大きいとは説明しづらいということがあると思います。かかりにくくなるメリットはありますが、学会の声明にも、子どもの接種より周囲の大人がまずワクチンを接種してかからないようにしましょうということが一番に書いてあり、強調する形になっています。

 

この年齢の子ども用ワクチンはひと瓶が10人分になっていて、余らないようにしようと思うと、10人単位で予約を取らないといけません。ですので、前回の自治体の会議でも、診療所で予約を取るのは実質的に不可能という意見が出ていました。私もそう思います。

 

こういったワクチンは一日にたくさんの人数を打てる集団接種会場で使うのが良いのですが、そうなると子どもの接種に慣れたスタッフを会場に確保できるかどうかがポイントになります。接種を行うなら私たち小児科診療所の医師が、自院を休診にして可能ならスタッフを連れて会場に打ちに行くというが良いです。自治体にはそのことを伝えてありますが、実際にそうなるかは分かりません。

 

もうひとつ、以下のように新型コロナウイルスの無料検査が各地の自治体で受けられるようになっています。

東京都 新型コロナ無料検査 重点措置終了の2月13日まで延長へ 

 

新型コロナウイルスに現在かかっているかどうかを調べる検査には3種類あって、

 

・PCR検査

(結果が出るまでに1~数時間かかる。主に保健所等が行っている)

・抗原定量検査

(30分くらいで結果が出る。近隣では市立長浜病院や長浜赤十字病院が行っている)

・抗原定性検査

(10~15分くらいで結果が出る。一般的な診療所が行っている通常の検査はこれ)

 

があります。上に書いたものほど精度が高いです。

 

専門的になりますが、厚生労働省戸山研究庁舎の研修会の資料をネットで参照することができます。

https://www.niid.go.jp/niid/images/plan/kisyo/2_suzuki.pdf

この資料にもあるように、3種類の検査のうち、抗原定性検査はウイルス量が少ないとウイルスを見つけにくいので、通常、無症状の人にはPCR検査か、抗原定量検査を用います。資料には特に抗原定性検査について、確率としては少ないものの、偽陽性(間違えて陽性となること)になることがあり、検査が急速に普及する中で問題になっていると書かれています。この資料は1年以上前のものですが、検査の精度自体は現在もそう変わっていません。どんな検査にも偽陽性はあって、新型コロナウイルスの検査に限ったことではないのですが、新型コロナウイルスは陽性になった場合の社会的影響が大きいので、資料では偽陽性を防ぐための方法がいくつか書かれています。

 

そのひとつが、無症状の人には抗原定性検査を行わないということです。

 

自治体や薬局等で行われている無料検査は、何も症状がない人に対して行う検査ですから、本来は抗原定性検査を使うべきではないのですが、結果がすぐに出て簡便なので、実際には多くの無料検査でこの方法が取られています。感染拡大を防ぎたいという考えの中で、本来の検査の意味が伝わることがなく、政策だけ進んでしまっているように思います。

 

発熱していたり、症状がある人には抗原定性検査で良いのですが、もし、症状がなくて受ける時に検査の方法を選べるなら、PCR検査か抗原定量検査を選ぶようにして下さい。そちらの方が偽陽性が出る確率も低いです。